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仮面ライダーオリジナル小説[滝和也の秘密]第4話 [小説]

滝は一人になり、FBIに連絡をかけた。
受付の人間が出てきたが、すぐ様、上司に代わってもらった。
「なんだね。滝君。私は忙しいのだがね」
上司のマイクはいやそうな挨拶をした。
滝は緊張しつつも要件を言った。
「あー、つまりもっと人員をよこせと言うことか」
「はい、そうです」
上司は、フッと鼻で笑い、
「ばかばかしい。何でこの忙しい時にわざわざ貴重な人員を出さなければならないのだ。まったく」
「しかし・・・」
「我々は、マフィアの撲滅で忙しいんだ。今朝もマフィアに関わる事件が起こって調査隊を結成したところだ。我々の貴重な人員を君のために使うことはできない」
「しかし、ショッカーは巨大な組織です。日本での暴れ具合は今報告した通りです」
「だいだい、そのショッカーが問題なんだ。君の報告では世界規模の組織ということになっている。確かにその通りだ。しかし、彼らのやっていることはせいぜい人攫いなどの行為だ。しかも彼らは怪しげな戦闘服を着てそれをやっている。犯罪をやる時には目立たないのが鉄則だ。それもわかってない組織など恐れるに足りない」
「たくさんの人が困っているのですよ。マイク」
「君の報告では困っているのは滝。おまえとその仮面何とかって奴が狙われることがほとんだ。民間人はあまり狙われていない」
「いずれ、大勢の人が苦しめられることになります」
滝、必死の反論だ。しかし・・。
「いいかね。滝君。さっきも言ったとおり、ショッカーは三流組織だ。そんなのにかまってられない。だから、君一人だけだったんだよ。日本に行かせたのは。すごい組織だったら、銃も持たないで行かせたりしないし、もっと人員を出しているよ」
マイクは一気にまくし立てるようにしゃべった。
そのスピードからさっさと話を終らした本来の仕事に戻りたいという気持ちが滝には感じられた。
「そこを何とか・・」
「くどい!」
マイクは怒鳴り声をあげた。
「日本に向かわせる前にも言ったのだが、もう一度言おう。君は左遷された身なんだよ
その君がなんでそんな好き勝手な意見を言えるんだね。えっ」
実は、滝はある重要な事件で大きなミスを犯して犯人を取り逃がした。
クビになりかけたところを親しかったある上司によって救われ、左遷ですんだのだった。
もちろん、この事実を本郷達は知らない。
「とにかく、後は君は適当にやりなさい。それじゃ」
その言葉を最後に一方的に電話は切られた。
受話器から流れる音を聞きながら、滝は過去の左遷が決まった時のことを思い出していた。
思い出したくない記憶だったはずだ。だから、日本に来てから過去を振り返ることをやめていた。
いっそ、過去の記憶がなくなればいいのにと思った時も何度かある。
「だから、連絡したくなかったんだよ。俺は」
滝は一人呟いた。





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